秋元　愛美

私の家庭は両親が共働き家庭だったので、おばあちゃんが面倒をみてくれていました。

兄の影響もあり、外で遊ぶことが好きだった私は、おばあちゃんを連れて外に行って、家に戻ってはご飯を食べて、また外に行って・・・と繰り返していたのをよく覚えています。おばあちゃんの家は団地の5階でした。上る手段は階段のみです。

今思い返せば、何度も5階までの階段を往復させてしまい大変だったと思います。長い時間を一緒に過ごしていたので私はすっかりおばあちゃん子に育ちました。

大学を出てヨガのインストラクターに就職。そこで一番尊敬出来る先輩の食生活にとても驚きました。それは、無農薬野菜や無添加食品など拘ったものばかりでした。理由を聞くと、「以前は添加物や農薬を気にせず食べていたが、気にするようにしたところ体が軽くなる感じがした。完全に切り替えだしてからは、添加物などを取ると体調が優れなくなってしまった。それほど体に良くない物なのだと感じるようになった。」と言っていました。

半信半疑で聞いていたのですが、面白いと思い、試しに私も食生活を真似してみました。最初は何も感じませんでしたが、少し経つと体のだるさや疲れが抜けやすくなったように感じました。先輩の言う通り、体は楽になり、同時に、これまで何も気にせず安い食材を購入していましたが、成分を見て自分で選ぶものだと考えまでも変わりました。

実家に帰ったときにおばあちゃんの家を訪ねてみると、私を世話していた時よりおばあちゃんは少し小さくなっていました。昔のように重いものを持つことはなくなり、階段では手を貸してあげました。休憩しながら、いつもよりゆっくり横に並んで歩けるように心がけました。このままずっと5階の階段を行き来して生活するは凄く大変な事だと思い、階段が無く楽に生活できる家に住んで欲しいと強く感じました。自分が家を持つときはおばあちゃんと一緒に住めるような住宅を建てたいと思うようになり目標が出来ました。

社会人も二年目になり、将来的に皆で住める家を建てたいと思った私は様々なハウスメーカーや工務店に資料請求をしました。似たようなものが多く、違いがわからないものが多かったのですが、無添加住宅は違いました。体に悪いものは使わず、安心して暮らせるお家。食べ物に気を使っても、常に体に入ってくる空気を考えたことはありませんでした。好きだった新築の匂いは溶けだした接着剤の匂いでした。外にあまりでなくなってしまったおばあちゃんが一番長く過ごす場所は家です。そんな家を一番居心地の良いものにしたいと思いました。

この家なら家族みんなを安心して住ませてあげられる、そう思いました。無添加住宅の資料を読み、実際にモデルハウスにも来てみて、奥深く、興味深い無添加住宅を追求したいと思い、就職を決意しました。香水、整髪料を使わず、柔軟剤も使わないという徹底ぶりでした。だれが住んでも安心して暮らせるのは無添加住宅だけだと感じたので、皆さんに勧めたいと感じました。住まいを選ぶことは、空気を選ぶこと。ほかにはない、本当に安心できる家を私も作っていきたいです。