斎藤 道成

小学生のころ、叔父の設計のもとで今の実家を建てたことが最初の建築との出会いです。
もともと住んでいたところから近かった事もあり、よく親と一緒に差し入れを持っていきがてらに大工さんたちと色々話しながら現場をうろうろしていたのを覚えています。その後日曜大工が好きな父と家具や犬小屋を木で色々作った事で初めてものづくりの楽しさに触れました。

高校での学祭も舞台製作に携わり、進路選択の際は迷わず建築の道を選びました。周りの友達はかっこいいＲＣの建物の設計や施工を選択しましたが、私は実家を建てた時に感じた木の暖かさ、木で父と作ったものづくりの楽しさが忘れられず、身近な材料だけど奥が深く昔から使われている木の建築に携わりたく、木造建築、さらには施工にこだわり、その研究室がある大学を選び進学しました。研究室では木質構造を学び、就職してからは木造住宅の施工管理としてはや15年以上、その中で自然素材の家づくりに携わってからは10年以上経ち、今に至ります。

現場は汚い、怖いなどよくないイメージが多いかと思います。僕も働くまではそんなイメージが強かったです。そのせいか建てている最中の現場にお施主様があまり来ないことがあります。
家づくりは一生のお付き合いといいますが、建て終わったあとのお施主様とのお付き合いはもちろん、建てている最中にもお越しいただいて、お子様には僕のようにものづくりに興味を持ってもらったりして少しでもその先に良い影響を与えられるような現場作りをして、お施主様はもちろん、お子様にも家づくりを楽しんで頂きたいです。

完成してしまったら見えなくなってしまう部分にもどこにどんな材料がどのように使われているのかを知って頂ければ住んでからも安心してより愛着をもって暮らせるはずです。自然素材は現場が進んでいく中でも変化していくことがあります。そのような変化も楽しみながら家づくりのお手伝いをさせて下さい。

もともと木が好きというところから携わってきた木造住宅で、自然素材を扱うようになってから「自然素材って扱いが大変ですよね。」とお客様からも現場からもよく耳にします。
お客様目線ではメンテナンスが大変と思われている方が大半だと思いますがそんなことはないです。知らないだけで知ってしまえば難しくなく、新建材などと違い、経年変化を楽しみながら愛着を持って暮らしていける素材です。
現場側からは無垢材は傷付きやすい、既製品ではないのでわからないなどと言われますが、逆に決まりがないので自由に造れる楽しみがあります。もちろん決まっていることもありますが、2棟横並びで建てても建売住宅とは違いそれぞれの家の性格が出てきます。

また、自然素材の家に入ると空気が違うとよく言われますが、化学物質過敏症の方や健康志向の方はもちろん、小さなお子様たちに謙虚にあらわれるそうです。「よくグズる子なのに今日はよく寝ている」とか「すぐ帰りたがる子なのに今日は全く帰りたがらない」など子供たちは知らずと居心地の良い空間がわかるのかもしれません。

自然素材を学んでいくうちに「食べられる家」というフレーズに出会いました。その言葉に衝撃を受けました。調べると徹底的に住む人の健康を第一に考え、自然素材のことを学んでいた私でも「そんなところまで!?」と思えるほど健康に配慮した、人に害のある材料は使わない家づくりをしている無添加住宅の家でした。
自然素材の家に携わってきましたが無添加住宅ほど人にやさしい家はなく、自分の家を建てるならこんな家しかない、こんな家づくりに携わりたいと思いました。そんな中、前職で一緒に自然素材の家づくりをしていたスタッフを無添加住宅で見つけ、これはと思いすぐ声をかけました。そして小泉社長、𠮷田常務とお話しできる機会を頂き、どうしても無添加住宅に携わりたいとお伝えし、「JYU-KEN」に入社させて戴きました。