三井　健

石川県加賀市で共働きの両親の一人息子として生まれました。小学生までは体が弱く喘息気味ですぐ熱を出し、しょっちゅう近所の小児科にお世話になっていました。兄弟がいませんので兄弟がいる友達や従兄弟が、とてもうらやましかったのをよく覚えています。その頃、将来なりたい職業は大工さんで、新聞折込の分譲住宅のチラシを見ながら、よく自分で住宅の間取りを考えて書いていました。中学で軟式テニス部に入り、高校も続けました。特に中学の部活は顧問が非常に厳しく、今では絶対ダメな指導でした。そのおかげか、現在でもほとんど風邪もひかない丈夫な体になり、大概の事ではへこたれない根性が身につきました。

高校3年時の進路決めでは一度でいいから違う土地で一人暮らしがしてみたく、幼い頃から興味のあった建築を学ぶ為、名古屋の大学の建築学科に進みました。当時、母親が電電公社（NTT）勤めだったこともあり、就職は地元で安定している公務員を勧められましたが、名古屋に未練があった私は、公務員だと今後、一生地元暮らしになってしまうと思い、一応親との約束通り？石川県が本社の中堅ゼネコンに就職しました。

ゼネコンに入社後、最初は大阪支店勤務となり、大阪市内のS造7階建テナントビル新築工事の現場に配属になりました。しかし、学生時代学んだことは一切通用せず、建築現場用語や具体的な施工法などは型枠大工さんや足場鳶さん、鉄筋屋さんなどの手元をしながら教えてもらい、実務を覚えていきました。

その後、大型物件の請負金額30億、SRC造12階建3棟212戸の分譲マンション新築工事に配属となり、大型物件の着工から竣工までの施工管理を経験しました。資材発注・原価管理・業者さんへの支払いを覚え、施工管理の一通りを経験しました。その後、5物件を一人現場で担当した後に、初めての公共工事となる郵便局新築工事のJVに携わりました。ここで他社の方と一緒に同じ建物を造り上げるという経験をし、同時に一級建築士も取得する事が出来ました。

仕事も順調にこなし作業所長となって2物件目を担当する頃から、幼い頃から興味のあった木造住宅にも携わりたいと思い始めていたところ、取引先商社経由で、自然素材にこだわった住宅会社の社長が現場監督を探していると聞き、すぐにその社長に会いに行きました。その会社は当時でも珍しいログハウスも取り扱っていて、社長も非常に魅力的な人でしたので、私はすぐにでもその会社で仕事がしたくなりました。ですが、当時担当していた施工中の物件は、自分の責任でしっかりと完成させ引渡しをしてからと考え、面談から約1年後にその会社に転職しました。

この会社で初めて、一般個人のお客様の木造住宅やログハウスに携わり、施工管理を行いながら木造の知識を深め、やはり木造は楽しいと感じました。数年して社長が突然「無添加住宅を始めるぞ」と言い出しました。私はその時、無添加住宅についての知識が全く無かった為、名古屋から横浜に見学に行きました。（現在の無添加住宅横濱のモデルハウスです）これが私と無添加住宅との最初の出会いです。

無添加住宅と出会うまでは、無垢材は使用していたものの、合板類は当たり前に使用して住宅を建てていた為、無添加住宅の工法を知った時、技術方としてまず衝撃を受けました。同時に有害な化学物質や、室内の空気の重要性を知りました。本物の木造住宅と無添加住宅の魅力に取りつかれた私は数年後、この会社で自宅を新築しました。自宅の内装は、床は無垢フローリング、壁・天井はほとんどの部屋が無添加しっくいです。

その後、𠮷田常務がこの会社に入社され一緒に仕事をしていました。当時、無添加住宅代理店の集まりで無添加合宿というのがあり、そこで初めて小泉社長とお会いし、その時から非常に魅力的な社長だと感じていました。

数年後、私は業務提携先の木材建材販売会社に出向し、その会社の工事部門を任されていましたが、出向元の住宅会社が経営破綻してしまった為、出向先に転籍し、破綻した会社の関連残務も含め仕事を続けていました。しばらくして𠮷田常務から、小泉社長の下で一緒に仕事をしないかと声をかけて戴き、また改めて無添加住宅に携われるという喜びも感じて、株式会社ＪＹＵ-ＫＥＮに入社させて戴きました。